電気設備 精密点検

 

お客様の電気設備を精密点検することがあります。年次点検と大きく違うのは、継電器試験や絶縁診断。遮断器試験は、投入時のタイミングチェックや接触抵抗測定など。試験や測定が目白押しです。

 

この記事では、私が現場職だった頃、精密点検の責任者を任せられた時に、特に注意したことについて話てみますね。

 

 

目次

 

・現場打ち合わせが精密点検を左右させるカギです。

 

・責任者は、万が一を想定し復旧する手順を把握しておく。

 

・責任者は技術員と一緒になって作業してはいけません。

 

・技術員を監視し過ぎない。

 

・最後に感謝を伝える。

現場打ち合わせが精密点検を左右させるカギです。

現場の大きさにもよるのですが、精密点検の打ち合わせは入念にやっておきましょう。どんなに慣れている現場でも机上の打ち合わせをしてはいけません。電気設備の精密点検は年に1回ですので、現場へ行ってみるとトランスを増設していたり、開閉器を取り換えていることがあります。

 

事前に知っていると、精密点検の工程表の中に取り入れることができます。一番やっかいなのは、シーケンスの変更を事前に入手できなくて、大きな事故になることがあります。現場に行くということは、現場担当者(主任技術者)に会えますし、電気設備の変更を知ることができます。

 

精密点検は、手順書通りに試験を進めていけば、点検による事故は防げます。そのためにも、事前に現場へ伺い、担当者や職員から情報を貰い、設備の確認を徹底しておきましょう。

責任者は、万が一を想定し復旧する手順を把握しておく。

万が一の事故に備えて設備を早急に復旧することがあります。私が経験したことを最初に話しておきましょう。

 

想定外に起きた現場は、ある空港の変電設備の精密点検の時に起きました。担当者の合図で設備を完全停電し、技術員全員で遮断器を降ろしたり、各種試験に取り掛かろうとした時でした。

 

全く関係のない人が現れて、「何故、停電しているんだ!」と怒鳴りこんできました。

 

私達は、目がテンになると同時に、誰?

 

直ぐに、担当者が来ました。『緊急事態が発生したので戻して下さい』 何がなんだか分けがわからず、その時の責任者が『早くしろ、人の命が危ない』と叫びました。やっと、状況が察知できましたので皆で復旧準備に取り掛かりました。

 

でも、ここで慌てると大きなミスを犯してしまうかもしれない。『とにかく、慌てないで、急いでゆっくり復旧することが先決です。』当時の責任者が言った言葉を今でも覚えています。

 

私達は、急いで戻す作業に取り掛かりました。完全に戻して、復電準備をしていた時です。飛行場の滑走路を幾台の車が照らしていたのです。大きなエンジン音が聞こえてきました。救急車もけたたましくサイレンを鳴らしながら滑走路に近づいてきました。

 

ほんの数分後に自衛隊の飛行機が着陸したのです。すると、救急車から人が運び出され飛行機の中へ入っていきました。そして、飛び立っていきました。

 

地域の人々の連携プレイって凄くないですか。私達の復電を待たずに一刻の猶予がなかったことを後で知りました。

 

もし、その時に復電準備を急ぎ過ぎて大きな事故にでもなっていたら・・ 恐ろしくて、今の私も居ないかもしれません。責任者がブレなかったことが、結局、正解であり、人の命を助けられたのです。直接、助けた分けでないのですが、二次災害を引き起こさかったことが明暗を分けたと思います。

 

このように、想定外は起きることがあります。復旧するための手順書もさることながら、臨機応変に現場を指揮する指導力も責任者の大事な要素ではないでしょうか。

責任者は技術員と一緒になって作業してはいけません。

 

精密点検の責任者は、技術員の安全を守ることと、設備を元通りに戻す責任があります。前述したように想定外の事故でも対応する能力を兼ね備えていなければいけません。

 

精密点検が順調に進んでいるのか、遅れている技術班はいないか常に注視する必要があります。責任者が一緒になって作業すると、それらを監視する人がいません。時として、このような時に絶縁診断等で技術員が感電することがあります。

 

技術員の安全を守ることも責任者の仕事と先に述べましたが、責任者の仕事を疎かにしたのが感電事故を招いたと言っても過言ではありません。現場が和気あいあいした雰囲気は大事なことですが、意味合が違います。特に、組作業は緊張感を維持し、周囲の作業に気をつけておかねばいけません。

 

責任者たる者は、常に作業状況を把握し技術員からの不具合の報告に耳を傾けましょう。『これぐらいは大丈夫だよ』的な、発言をしてはいけません。技術員は責任者に不具合箇所を確認してほしいのです。そして、判断を仰いでほしいのですよ。忙しくても、そこは一緒に現場を確認しましょう。

技術員を監視し過ぎない。

これは大事なことです。技術員が怠けていないか、ふざけていないかを監視するのは良いですが、作業を監視するように見つめるのはいけません。技術員は自分の仕事を疑っていないか気が気でありません。

 

時々、見てあげるぐらいが丁度いいですよ。

 

新入職員の技術者の場合は、先輩技術者に見てもらうように指導します。責任者が見ているのと、先輩が見ているのでは精神的な圧迫が違うからです。精密点検に失敗は許されないことです。失敗しないために、何度も研修を受けているはずです。特に、継電器試験での印加電圧間違いなどは持っての外です。

 

現場での監視は、技術員に適度の緊張感を与える良い手段です。

最後に感謝を伝える。

 

精密点検前のミーティングは注意事項の確認や、活線箇所の確認など、そして技術員の健康状態チェックなど大事なことだらけです。

 

精密点検を終えた後の、ミーティングも大事です。皆でやり遂げたことを責任者は、告げなくてはいけません。告げることで、感謝の気持ちが技術員に伝わります。次も頑張ろうという気持ちを奮い立たせてくれます。

 

精密点検は、復電するまで気が抜けない作業だけに、責任者が辛いのを皆も良く知っていますが、技術員の頑張りがあってこその精密点検ではないでしょうか。ぜひ、態度だけではなくて、言葉で感謝の気持ちを伝えましょうよ。

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